シェエラザード
元エリート銀行員、軽部は謎の台湾人、宋から台湾沖に沈む船「弥勒丸」を引き上げるための資金の調達を依頼されます。「弥勒丸」は戦時中に赤十字の依頼を受け捕虜のための物資を運んでいたのにもかかわらず、誤爆されて沈没した、当時としては最高に美しい元客船でした。話が進むにつれて徐々に明らかになる「弥勒丸」が誤爆された真実。それはあまりにも悲しくて悲惨な戦争の真実でした。
この話は実際にあった話を元に書かれたそうですが、戦争とはいえ、民間人を巻き添えにしたあまりにも悲惨な話でした。
それでもなんとか読むことができたのは、「弥勒丸」に関わった人たちがとても立派な人達だったからからでしょうか。そして「弥勒丸」自身も魅力的な「女性」でした。
最後に、この作品のタイトル「シェエラザード」はロシアの作曲家、リムスキー=コルサコフの作品からとったらしいです。安藤美姫が最近使用した曲なので、聴いたことがある人も多いと思います。とてもいい曲なので、お勧めです。
by angel-heartk
| 2008-04-29 21:54
| 読書(歴史・時代小説)